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元気学

第3回 “ロコモゴルファー”にならないために毎日身体を動かそう!

2016.09.28

~健やかな高齢期のカギとなる柔軟性を高める~

週1のゴルフやジムだけでは運動不足になりやすい

40代ぐらいから、運動をする人・しない人に二極化する傾向がみられます。運動をしない人はもちろん、運動をしている人、スポーツが好きという人も、ご自分の運動習慣を振り返ってみてください。週に1回、ジムやゴルフに行くだけになっていませんか?
スポーツをするのは週1~2回、それ以外の日は身体を動かさないというライフスタイルを続けていると、運動不足になりやすく、しだいに体力は落ちて、身体は硬くなっていきます。やがて運動器のトラブルが生じて、スポーツができなくなることも。筋力や柔軟性を維持して、自分の好きなスポーツをいつまでも楽しむためにも、「3つのS」(スクワット、ストレッチ、背骨ほぐし)を毎日続けることが大切です。

身体の要はしなやかな背骨

前回もお話ししましたが、「柔軟性=体力」です。そして、柔らかな身体を保つために大事なのが「しなやかな背骨」です。日頃、背骨を意識して身体を動かしていますか?

ヒトは脊椎動物ですから、背骨の動きが要です。常に背骨を軸として、身体のすべての装置が協働するのが美しく、無理のない自然な動きです。

首や肩を動かすときも、腕を使うときも歩くときも、背骨から動かすのが基本になりますが、例えば遠くの物を取るとき腕だけを伸ばすというふうに、つい身体の一部分だけを動かしてしまいがち。それが習慣になると、動かしていない背骨が硬くなるだけでなく、背骨と首・肩のつなぎめ、あるいは背骨と腰・脚のつなぎめに無理がかかって、首や肩のコリ、腰やひざの痛みといった症状が起きてくるのです。

背骨から動かす感覚を身につけるには、「背骨ほぐしひじまる体操」を。背中や胸に手を置きながらやってみたり、パートナーにぐるぐる回してもらったりすると、背骨の動き、そして背骨と首、肩の連動がよくわかります。首や肩のコリ、背中のハリの解消にも効果的なストレッチです。

背骨ほぐしひじまる体操

何時間も座って、手指だけで仕事をしていると、肩こり、首の痛み、背中のハリに悩まされます。
背中・背骨を動かすことで、すっきり解消しましょう。

 椅子に座り、片手で服の襟と肩の間をつかみます。

 身体をひねりながら、できるだけひじを前に突き出します。

 背骨が動くように大きく腕を回します。ひじで大きく「円」を描くように背骨を回します。

 前回し・後ろ回しを交互に行います。

※片腕ずつ前回し4回、後ろ回し4回を、左右1セットとして4回が目安です。

  ①~④を立って行います。立って行うときは、ひざを緩めて、全身を使いましょう。片手で「背骨ほぐしひじまる体操」をしながら、もう一方の手の甲を背骨にあて、背骨が動いていることを確認します。

 片手で「背骨ほぐしひじまる体操」をしながら、もう一方の手は鎖骨と肋骨の間にあて、それぞれの骨が動いているのを確認します。

※立って行うときも、片腕ずつ前回し4回、後ろ回し4回を、左右1セットとして4回が目安です。

●腕が上がらないときは…
腕が思うように上がらないときは、胸の位置の服を、手でつかみながら行いましょう。

洗顔や歯磨きと同じくストレッチや背骨ほぐしを習慣に

私自身もゴルフが好きなので、「ゴルフで健康になろう!」「ゴルフをいつまでも楽しもう!」という思いから、“ロコモゴルファー救出大作戦”とうたって、ストレッチの仕方などをお伝えしています。

残り3ホールがきつい、歩きのコースは行きたくない、連日のゴルフはつらい……などと思うようになったら要注意。そのうち長く歩くと足腰に痛みが出るようになり、立派な“ロコモゴルファー”となって、ゴルフも楽しめなくなるかもしれません。

特に、男性は腰周りが硬くなりやすいので、ワイパー体操がおすすめです。腰痛を予防・改善するストレッチですが、背骨を意識して動くと脊椎から骨盤、股関節にかけての連動がスムーズになり、それが美しい立ち方、歩き方の準備にもなります。

ストレッチや背骨ほぐしは洗顔や歯磨きと同じ、“身体のお手入れ”です。高齢になっても自分の足で思い通りに歩くためには、日々の身体のお手入れが必要です。運動が好きな人も、そうでない人も、できることから始めて習慣にしていきましょう。

ワイパー体操(腰痛体操)

身体のつなぎめをうまく使うことで、腰痛を予防・改善する体操です。
傷んだ部分を休ませ、身体全体を強化する効果もあります。

 うつぶせに寝て手をおでこの下で組み、両足を20cmくらいに開いた状態で、ひざを軽く曲げます。

 両足を同時に左に傾けます。

 両足を中央の位置に戻します。

 両足を同時に右に傾けます。歩くリズムで、②~④を繰り返し、足をブラブラ左右に動かします。一緒に腰と背骨が動くのを意識しましょう。

※左右1セットで、5回が目安です。

【ポイント】慣れてきたら、ひざとつま先をつけて両足を動かす、1本ワイパーも行います。

筆者プロフィール

渡會公治(わたらい こうじ)

帝京平成大学大学院健康科学研究科教授
一般社団法人美立健康協会代表理事
整形外科専門医・日本体育協会スポーツドクター
帝京大学医学部整形外科客員教授(スポーツ外来)


1947年、静岡生まれ。1975年東京大学医学部を卒業後、整形外科医としてスポーツ医学を研修。

ロサンゼルス・オリンピックのチームドクターなどの体験を活かし、1988年より東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系身体運動研究室准教授。その後、スポーツ障害の治療法・予防手段を確立し、一流アスリートの競技力向上に努めた。

近年は、運動器障害に苦しむ患者を救う「ロコモ体操」を考案し、東大駒場キャンパス、三宿病院、港区いきいきプラザなどで指導。各方面で「正しい、そして上手なからだの使い方」についての講演、寄稿、啓発活動も展開している。

『美しく立つ―スポーツ医学が教える3つのA』(文光堂)、『新版 いますぐできるロコモ体操』(家の光協会)、『予約の取れないドクターシリーズ ロコトレ』(アスコム)など多数。

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