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100歳大調査

【100歳100人実態調査】2016年度版 Over100歳は「好奇心」「食欲」旺盛

健康長寿の秘訣を探る “100歳100人実態調査” 第一弾

日本人の平均寿命は年々延びており、100歳を超える高齢者は過去最高の6万人超となっています。(※1)
一方で健康寿命との乖離が問題となっており、男性の平均寿命が80.79歳、女性の平均寿命が87.05歳であるのに対し、健康寿命はそれより約10年短いという現状があります。(※2)

健康的に長生きする秘訣を探るために、100歳以上の方100人とそのご家族・近親者に生活実態調査を行ったところ、驚きの実態が明らかになりました。

※1 平成27年9月1日現在の住民基本台帳による都道府県・指定都市・中核市からの報告数

※2  健康寿命:平成25年時点 厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)
分担研究報告書「健康寿命の指標化に関する研究 -健康日本21(第二次)等の健康寿命の検討ー」
平均寿命:厚生労働省「平成27年 簡易生命表」

100歳の楽しみ 好きなのは「つながること」と「食べること」 

世間の出来事に関心あり 86%が好んでメディア(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)を視聴

100歳以上の方の好きなことをたずねたところ、「テレビを観る/ラジオを聴く」と、71%が回答。次いで、「食べる」68%、「新聞・雑誌を読む」53%となりました。【グラフ1】「テレビを観る/ラジオを聴く」「新聞・雑誌を読む」を合算すると、86%が情報に接することを好み、メディアを通じて、新しい情報や社会の流れに好奇心旺盛な100歳の様子が分かります。

中には、健康長寿の秘訣として『カラダに良い事などのテレビ情報などがあれば、番組表に○をつけて、欠かさず観る』『毎日、新聞を読む』などの回答もあり、積極的に情報収集をしている方も。また、49%の方が「おしゃべりをする」ことが好きと回答しており、周りの人とコミュニケーションを楽しんでいるようです。世間の出来事に興味を持ち、周囲とのコミュニケーションを好むなど、社会とのつながりを持っている100歳の姿が明らかになりました。

食の好みは、「お米派」が主流 / 「肉食系男子」・「草食系女子」

前述の通り、好きなこととして「食べる」が2番目に多く回答され、食欲旺盛な姿も見受けられました。また、100歳以上の方の好きな食べ物をたずねたところ、男女ともに「お米」がとても好きであることが分かりました。麺やパンと比べても圧倒的に「お米派」が多いようです。【グラフ2・3】男女別の傾向として、男性は「お米」とともに「肉」が好きという回答が多く、それに対し、女性は「果物」や「野菜」を好むようです。【グラフ2・3】さらに、一番好きな食べ物を自由回答でたずねたところ「天ぷら」「カツ」「すき焼き」「お寿司」など、いわゆる“ご馳走”といわれるものが多く挙げられました。また一方で、「酢の物」「昆布」「納豆」「豆腐」「ヨーグルト」「野菜」など、体に良いとされている食べ物を好むという回答も。その他「グラタン」「クリームシチュー」「マーボーナス」など具体的な料理名も回答されており、食に対しての関心が高い100歳の姿が浮き彫りになっています。このことから、食を楽しみ、いろいろなものを好んで食べている結果、バランスの良い食事になっていることが推測されます。

男女別 100歳が好きな食べ物・よく食べる物(複数回答)

80歳を超えても約4割が就労(※就労には家事・主婦業を含む)

近年では70代まで働いている方も多くいらっしゃいますが、一般的に退職年齢は65歳。100歳以上の方の家事・主婦業を含む労働引退年齢について質問したところ、80歳を超えても働いていた方が38%いることが分かり、中には「今も現役で働いている」方もいました。また、『90歳くらいまで美容師として働いていた(105歳 女性/長崎県)』方は、立ち仕事だったため足腰が丈夫で、105歳になった今でも、『美容室には毎日出て座っていることが幸せ』との声。美容師の仕事は引退したものの、職場に出続けるなど、仕事を通じて社会との関係を継続していることが元気に生きるエネルギーになっているのかもしれません。

今でも5人に1人が、1週間に1日以上散歩を習慣に

100歳以上の方の散歩目的での外出頻度についてたずねると、「1週間に1日以上散歩する」と22%が回答。また、「ほぼ毎日散歩する(週6日以上)」という方が10%もいることが分かり、積極的に歩いている様子が見られました。中には、『毎日(雨降り以外)自転車でカラオケに歌いに行っている。(103歳 男性/三重県)』といった強者も。自転車に乗ることができる丈夫な足腰が、楽しみのある生活を支えているのでしょう。

100歳以上の方々の共通点

100歳以上の方々に、長生きの秘訣をたずねたところ、“くよくよしない”というワードが目立ち、『考えすぎない』『過ぎたことをふり返らない』など、プラス思考で物事を前向きにとらえるココロを持っている100歳の姿が分かりました。一方、カラダづくりの基本である“食”についての回答はやはり非常に多く、『好き嫌いなく食べる』『食欲旺盛』など、なんでもよく食べることにより、健康を維持してきたことが分かりました。また、“人との関わり“について言及した回答も多く見受けられました。『人に喜ばれることをする』『自分がされて嫌なことは人にはしない』など他者への思いやり・気遣いの言葉が挙げられており、他にも『子供・孫の成長を楽しみにしてきた』『おしゃべりをすることが楽しみ』など、周囲の人とのコミュニケーションを生きがいにしている方も多くいました。
健康長寿の秘訣は「食事」「人との関わり」「運動」「前向きな精神」なのかもしれませんね。

監修コメント アイさくらクリニック院長 木村 昌幹(キムラ マサミキ) 先生

私たちのココロとカラダ、そして行動には密接な関係があります。社会とのつながりを持ち、前向きにいろいろなことを楽しむことによって、脳内神経伝達物質の1つであるドーパミンが増加してきます。このドーパミンにはやる気を高めてくれる働きがあります。「よかった!」「楽しい!」という感覚が得られた場合、私たちはまた前向きな行動をとるようになります。行動はエネルギーを消費するので食欲もアップします。くよくよせず、前向きに行動することで、社会とつながり、食事を楽しむこともでき、更にいろいろなことにチャレンジしようという気持ちになっていく好循環が生まれてくるのです。調査の結果からも、100歳の方々は、自然にこのような循環をしており、それが長生きの秘訣につながっているのではないでしょうか。

< 木村 昌幹先生プロフィール >
アイさくらクリニック院長。川崎医科大学卒業後、同大学附属病院心療科に勤務。その後、心療内科・内科・アレルギー科のクリニック(医療法人ウェルライフ アイさくらクリニック)を開業。SAD(社会不安障害)のほか、うつ病・不眠症・漢方治療・更年期障害等を多く手がける。

所属学会  :日本精神神経学会、日本心身医学会、日本抗加齢医学会、日本精神科産業医協会

認定医の資格:精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本心身医学会専門医、日本医師会認定産業医

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