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100歳大調査

【100歳100人 実態調査 2021】コロナ禍でも変わらない元気な100歳の長寿の秘訣 元気な100歳以上の85%は9時間以上睡眠! 良い眠りのための工夫に「運動」と「環境」づくり また 長引くコロナ禍で3割近くがデジタル機器も駆使して交流!?

2020年の厚生労働省の発表では100歳以上の高齢者は8万人を超えました。(*1) 平均寿命も男性81.64歳、女性87.74歳(*2)と年々延びつつあります。しかしながら、健康寿命は平均寿命よりも約10年短いとされています。(*3)

健康寿命の延伸を目標として活動するキューサイ株式会社の「100歳まで楽しく歩こうプロジェクト」(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:神戸聡、https://100aru.com/)は、健康長寿の秘訣を探るべく、2016年から元気な100歳以上の方100名と、そのご家族・近親者の皆さまに生活実態調査を行っております。今年も医師であり、日本サルコペニア・フレイル学会理事、熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長の吉村芳弘先生に調査にご協力いただき、調査結果についてコメントをいただきました。

今回は元気な100歳以上の方の睡眠事情やコロナ禍での活動について紹介します。

* 貴媒体にて本調査の内容等をご使用になる場合は【キューサイ調べ】と出典の明記をお願いいたします。

調査結果まとめ

Ⅰ.元気な100歳以上の方は睡眠時間9時間以上が85%

  • 73%の人が睡眠に満足
  • 良い睡眠をとるためのコツは「運動」と「環境」づくり

Ⅱ.元気な100歳以上の方は1日30分超 体を動かしている人約6割

  • 家事をしている人は100人中73人
  • 普段意識して体を動かしていることは、ウォーキングやストレッチ、ラジオ体操

Ⅲ.元気な100歳以上の方の3割はデジタル機器の使用経験あり

Ⅳ.元気な100歳以上がコロナ禍だからこそ始めたことがある人76%

コロナ終息後にやりたいこと・楽しみにしていること第1位が“周りとの交流”

●監修医師コメント
『質の良い睡眠でメリハリのある生活を。好奇心が健康長寿のコツ』 吉村芳弘先生 

Ⅰ.元気な100歳以上の方は睡眠時間9時間以上が85%

元気な100歳以上の方の睡眠時間を聞いたところ、9時間以上睡眠をとっている方が85%となり、そのうち11時間以上寝ている方も46%いることがわかりました。【グラフ1】また、寝る時間は21時台が40%と一番多く、朝起きる時間は6時台が38%という結果でした。さらに、お昼寝は約8割の方がしており、その時間は31分以上60分未満が一番多い結果となりました。

【グラフ1】100歳の睡眠時間

73%が睡眠に満足

また、日々の睡眠について満足しているかを聞いたところ、73%の方が満足していると回答。【グラフ2】満足度が一番高い睡眠時間は11時間以上睡眠を取られている方とわかりました。通常、睡眠時間は年齢とともに短くなる傾向にあるといわれ、さらにコロナ禍で睡眠不足になる方も多いといわれる中で、元気な100歳は日々しっかりと睡眠をとっているようです。

【グラフ2】100歳の睡眠満足度

良い睡眠をとるためのコツは「運動」と「環境」づくり

睡眠の満足度が高い100歳以上の良い睡眠をとるためのコツを聞いたところ、一番多かったのが、室温の調整、寝具、寝る前のルーティンなどで寝るための環境を整備することが16人、次に多かったのが日中や寝る前に運動をする人で12人でした。それ以外にも、夕食を食べる時間や少量のアルコール摂取、睡眠導入剤・サプリメント服用も11人いらっしゃいました。

Ⅱ.元気な100歳以上の方は1日30分超 体を動かしている人が約6割

1日の中で体を動かす行動や作業時間を聞いたところ、1日30分を超えて体を動かしていると回答した人は59人で、そのうち1時間以上は35人、2時間以上も14人、長い人では1日約6時間も体を動かしていることがわかりました。【グラフ3】また、体を動かしている時間は平均70.4分となりました。

【グラフ3】100歳の1日の中で体を動かす行動や作業時間(合計)

家事をしている人は100人中73人

元気な100歳以上の方はお散歩やウオーキング、買い物での外出も約8割と多くいますが、コロナ禍もあってか、自宅内での食事の支度・調理・片付け、庭仕事や庭の手入れなど、家事をされている方が100人中73人と多く見られました。

普段意識して体を動かしていることは、ウオーキングやストレッチ、ラジオ体操

元気な100歳以上の方に普段意識して体を動かしていることや何気なく体を動かしていることを聞いたところ、散歩を含むウオーキングと答えた方が39人、ストレッチやマッサージは37人、ラジオ体操やテレビ体操などをしている方は9人となりました。中には、雨の日でもおうちの中で2,000歩以上歩いている方、スクワットを1日2回計30分もされている方、健康増進機器を使用し、座りながらも足を動かしたりしている方もいらっしゃいました。【グラフ4】

【グラフ4】100歳の1日の中で体を動かす行動や作業時間の種類

Ⅲ.元気な100歳以上の方の3割はデジタル機器の使用経験あり

100歳以上の方に通信機器やパソコンの使用状況を尋ねたところ、過去使用したことがある方も合わせると3割の方に使用経験がありました。100歳以上の現時点の使用状況は5人に1人で、その多くは電話などで話すこと、次にテレビ電話やビデオ通話などとなり、中にはご自身で動画を撮影し、それを視聴されている方もいらっしゃいました。使用時の相手先は子どもや孫、ひ孫、親族となっており、100歳以上の方は、コロナ禍で交流が途絶えがちな中、デジタル機器も積極的に活用し、交流している様子がうかがえました。

Ⅳ.元気な100歳がコロナ禍だからこそ始めたことがある人76%

元気な100歳以上の方にコロナ禍だからこそ始めたことや取り組んでいることがあるかを聞いたところ、76%の方があると回答しました。手洗い、うがい、消毒などの感染予防対策が圧倒的に多い結果となりましたが、室内を歩いたり、健康増進機器を使用したりと運動を始めた方は17人、絵手紙や書道、手芸、脳ドリルやクロスワードなど新たな趣味を持つようになった方も15人という結果となりました。

コロナ終息後にやりたいこと・楽しみにしていることは第1位が“周りとの交流”

100歳以上の方にコロナ終息後にやりたいこと・楽しみにしていることを聞いたところ、多かったのは子どもや孫・ひ孫、友人などと直接会いたいという「周りとの交流」で43人と一番多い結果となりました。その中で、皆で会って美味しいものを食べたいという意見も12人から上がっていました。次に、温泉や旅行、散歩を含む「外出」で39%でした。【グラフ5】外出では、「お花見に行きたい」という声や、中にはコロナ前は、趣味のカラオケや民謡に外出していたが、今は自宅でラジカセの聞き方を覚え、演奏や民謡のCDを繰り返し聞いているという方もいらっしゃいました。元気な100歳以上の方は、コロナがきっかけで、「今までできなかったことができるようになった!」など、コロナに負けずに生活されているということがわかります。

【グラフ5】100歳がコロナ終息後にやりたいこと/楽しみにしていること

監修医師コメント

『質の良い睡眠でメリハリのある生活を。好奇心が健康長寿のコツ』

高齢化社会となり、特に健康寿命の延伸は大切です。人生の1/3は睡眠時間といわれるくらい、睡眠についての重要性が指摘されています。一方で、睡眠時間は長ければ良いということではなく、ある研究では、睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、「加齢と共に必要な睡眠時間が少なくなる」と報告されています。
高齢者は若い頃に比べ早寝早起きになるようです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけでなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

今回の調査で元気な100歳以上の方は、睡眠時間9時間以上が85%であり、「予想外に」睡眠時間が長い結果でした。ただし、73%という高い割合の方が睡眠に満足
しているという結果を考慮すると、健康長寿に関連するのは睡眠の量よりも質(や満足度)なのかもしれません。
「規則正しい食生活」、「日中を活動的に過ごす」、「適度な運動習慣を持つ」ことは、決まった時間に入眠・起床することを促し、また良い睡眠につながります。良い睡眠を得ると、日中を活動的に過ごすことができ、メリハリのある生活を送れるようになります。ウオーキングをしたり、お散歩を楽しむことは質の高い睡眠につながるでしょう。外出が難しい場合、自分でできる範囲の家事をするだけでも身体活動は保たれると思います。入眠困難や中途覚醒などの睡眠障害がある場合は、生活に支障がない範囲でサプリメントや睡眠導入剤を活用することも良いと思います。

年を取っても好奇心を持ち、いろんなことに挑戦することも健康長寿のコツです。デジタル機器を用いてオンラインで交流を深めているという実態はとても好ましいものだと考えます。コロナ禍であっても終息後を見据え、周囲との交流を前向きに捉えられている様子も私自身が気持ちの有り様として見習いたいと思いました。

<吉村芳弘(よしむらよしひろ)先生プロフィール>
日本サルコペニア・フレイル学会理事。熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長。専門分野はリハビリテーション医学と臨床栄養学。外科医師の経歴から術後のリハビリテーションの重要性を痛感し、現在はリハビリテーションと栄養管理に並行して取り組む「リハビリテーション栄養」という視点から、積極的に臨床研究や講演を行っている。

 

調査概要

  • 調査時期:2021年5月27日(木)~ 7月5日(月)
  • 調査地域:全国
  • 調査方法:100歳以上の方ご本人に対するヒアリング、ご家族に対する質問用紙による自記入式調査
  • 調査主体:キューサイ株式会社「100歳まで楽しく歩こうプロジェクト」
  • 調査実施:株式会社クロス・マーケティング
  • 抽出方法:調査実施機関のリクルートネットワークを用いた機縁法リクルート
  • 調査対象:100歳以上の男女100名、100歳以上の方のご家族・近親者(寝たきり生活者と病院入院者は対象から除外して実施)

*1 令和2年9月1日現在の住民基本台帳による都道府県・指定都市・中核市からの報告数(厚生労働省)
*2 平均寿命と健康寿命の乖離 令和2年簡易生命表(厚生労働省)
*3 第12回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料(厚生労働省)
*4 公益財団法人 日本オリンピック委員会公式ホームページ「オリンピック開催地一覧」(1940 年のヘルシンキ五輪・1944 年のロンドン五輪は中止のため除く)
*5 内閣府「令和3年版高齢社会白書」(全体版)

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