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100歳大調査

【100歳100人 実態調査 2021】コロナ禍でも変わらない長寿の秘訣 元気な100歳の実態 徹底分析!? “たっぷり野菜”と“感謝の気持ち”がキーワード! 幸せに歳を重ねるためのアクティブシニアへのメッセージ公開!

日本人の平均寿命は年々延びており、今年の100歳を超える高齢者は8万6510人に上り、年々増加しています。(*1)

一方で健康寿命との乖離も問題となっており、男性の平均寿命が81.64歳、女性の平均寿命が87.74歳(*2)と年々延びつつあります。しかしながら、健康寿命は平均寿命よりも約10年短いとされています。(*3)

健康寿命の延伸を目標として活動するキューサイ株式会社の「100歳まで楽しく歩こうプロジェクト」(本社:福岡市中央区、代表取締役社長:神戸聡、https://100aru.com/)は、健康長寿の秘訣を探るべく、2016年から元気な100歳以上の方100名と、そのご家族・近親者様に生活実態調査を行っており、5回目の調査を行いました。延べ500名の方への調査の結果、秘訣として「食事」「運動」「交流」が多く挙げられていることが分かりました。

今回はコロナ禍でも変わらず元気な100歳の食事や心持ち、さらに70歳代のアクティブシニアの方に向けたメッセージを紹介します。

* 貴媒体にて本調査の内容等をご使用になる場合は【キューサイ調べ】と出典の明記をお願いいたします。

調査結果まとめ

Ⅰ.元気な100歳は野菜や野菜の栄養を摂れていると実感している人が78%

  • 毎食食べるものベスト3は1位 米、2位 野菜、3位 乳製品 
  • 野菜や野菜の栄養はジュースやスムージー、ポタージュや青汁で摂取する人 5人に1人

Ⅱ. 元気な100歳は噛める歯を持っている人が77%

  • 自分の歯が残っている人は3人に1人!お肉も噛めておいしくごはんをいただける
  • 54%はかかりつけの歯科医を持っている

Ⅲ. 元気な100歳の健康長寿の秘訣 自身の考える年齢意識について

  • 健康長寿の秘訣 1位はやはり「食」
  • 「精神面・気力面」はマイナス15歳、「身体面・体力面」はマイナス10歳

 Ⅳ.人生の後輩 アクティブシニアの方へ 100歳の言葉

 70歳代の後輩に向けてのメッセージ

 ●100歳インタビュー 『みんなが本当に良くしてくれるから“今が一番幸せ”』

 ●監修医師コメント  『感謝の気持ちと前向きさ、栄養バランスのよい食事とよく噛める歯は健康長寿に繋がる!』 吉村芳弘先生

Ⅰ.元気な100歳は野菜や野菜の栄養を摂れていると実感している人が78%

毎日食べるものベスト3は1位 米、2位 野菜、3位 乳製品

元気な100歳以上の方に「普段の食事でほぼ毎日食べるもの」を聞いたところ、1位 「お米」 59%、2位 「野菜」45%、3位 「乳製品」 25%となりました。(グラフ1)1位の米は、力や熱といったエネルギー源となり、日本人に最もなじみのある食べ物です。2位の野菜はビタミン・ミネラルを多く含み、からだの調子を整えてくれます。3位の乳製品には、5大栄養素がバランスよく含まれています。2位の野菜に関しては、なんと8割近くの人が普段の食生活で野菜や野菜の栄養を摂れていることがわかる結果になりました。

【グラフ1】普段の食事でほぼ毎日食べるもの

野菜や野菜の栄養はジュースやスムージー、ポタージュや青汁で摂取する人 5人に1人

元気な100歳は日々しっかりと栄養を摂っており、それを実感されているようです。100歳のご家族に「野菜をたくさん食べたり、野菜の栄養を摂るための工夫」を聞いたところ、温野菜や煮物、ゴーヤチャンプルーなどの炒め物で野菜を摂ると答えた人が35人と一番多く、次にジュースや青汁、スムージーなどのドリンクとして摂る人が20人、具沢山の味噌汁やスープで摂る人が17人という結果になりました。(グラフ2)同居者の協力と栄養バランスを考えて食事をされている様子がうかがえます。

【グラフ2】野菜をたくさん食べたり、野菜の栄養を摂るための工夫

Ⅱ.元気な100歳は噛める歯を持っている人が77%

自分の歯が残っている人は3人に1人!お肉も噛めておいしくごはんをいただける

元気な100歳以上の方に、自身の歯が残っている程度を聞いたところ、自身の歯が1/4残っている人は22%、9%の人が半分は残っていて、ほぼすべての歯が残っている人も3%という結果でした。(グラフ3)総入れ歯も55%いらっしゃいますが、前歯でお肉を噛み切ることができるかという問いに59%が「できる」と回答されました。入れ歯をしていても、食事がしっかりできるという状態は、健康長寿に繋がっているとうかがえます。

【グラフ3】自身の歯が残っている程度

54%はかかりつけの歯科医を持っている

かかりつけの歯科医を持っている人は半数以上で、入れ歯をしている人の実に半数以上がかかりつけ歯科医を持っていて、口腔の健康にも気を配っていることがわかりました。食事をおいしく食べるには歯は大切です。

Ⅲ.元気な100歳の健康長寿の秘訣 自身の考える年齢意識について

健康長寿の秘訣 1位はやはり「食」

元気な100歳以上の方に「長生きの秘訣」を聞いたところ、1位は「好き嫌いなく何でも食べる」、「3食をきちんと食べる」、「野菜を多く食べる」など、51%と約半分の方から「食」に関する回答がありました。続いて2位は「ポジティブ」、「くよくよしない、前向きに」、「笑顔で楽しく過ごす」と回答された方36%。3位の「運動」は28%の方が回答され、100歳を過ぎても体を動かすことを意識されている方が多いということがわかります。

【グラフ4】長生きの秘訣

【元気な100歳の方の長生きの秘訣(一部)】
・昔から薬草を自分でとって煎じて飲んできた(東京/103歳/女性)
・毎晩のグラス1杯のお酒の楽しみ(静岡県/105歳/男性)
・105才になってもたしなみを気にしている(山梨県/105歳/女性)
・人に頼らず、自分の事はなるべく自分でする(福井県/101歳/男性)
・ちょっと嫌なことでも楽しいことに切替えるように!!マイナス面はシャットアウト(長崎県/102歳/女性)

「精神面・気力面」はマイナス15歳、「身体面・体力面」はマイナス10歳

元気な100歳以上の方に、自身の「精神面・気力面」、「身体面・体力面」の年齢意識を聞いてみたところ、「精神面・気力面」は男女の平均が85.3歳、「身体面・体力面」には男女の平均が91歳という結果になりました。「精神面・気力面」は実年齢よりマイナス15歳、「身体面・体力面」に関しては実年齢よりマイナス10歳と、若く感じているということが明らかです。中には、精神面では80歳以下と思われている方が19人もいらっしゃり、気持ちの面では100歳とは思われていない方が多くいる結果となりました。さらに、一日に行動や作業で体を動かす時間が31分以上と30分以内を比較すると、「精神面・気力面」で5歳も若く感じており、「身体面・体力面」でも3歳以上の差が見られました。日々の活動時間の差は年齢意識の差にも表れていました。(グラフ5)

【グラフ5】「精神面・気力面」、「身体面・体力面」の年齢意識

Ⅳ.人生の後輩 アクティブシニアの方へ 100歳からの言葉

70歳代の後輩に向けてのメッセージ

元気な100歳以上の方に、現在のアクティブシニア70歳代の後輩に向けてのメッセージをうかがってみました。

・小さなことにクヨクヨしないで生きること。(北海道/103歳/男性)
・「楽」という文字を中心に(上)に音をつけると音楽に、(下)に園をつけると楽園に、(左)に気をつけると気楽になる。(宮城県/100歳/女性)
・気持ちが若く、自分のことを年寄りと思わない。(愛知県/101歳/女性)
・苦労はしても、笑顔でほがらかで前向きに。(長崎県/男性/102歳)
・100才からすると70才はまだ子ども。80才の坂はやすやすとのぼって、97才(カジマヤー)でひと休みして、その後は健康で長生きするだけ。(沖縄県/女性/100歳)

「人生100年時代」となっている今、4つの時代を渡り歩かれた人生の大先輩をお手本にして、周りへの感謝の気持ちを持ち続けることが大切なのかもしれません。

100歳インタビュー

『みんなが本当に良くしてくれるから“今が一番幸せ”』 (長野県/竹花輝子さん/101歳)

長男と長男のお嫁さんとの3人暮らしです。食事は3食を3人で一緒に食べています。

量は減らしてもらっていますが、やわらかくもせず、同じものを食べているんですよ。カリカリ運動というのを教えてもらって、たくあんや漬物などを食後に食べると歯をキレイにしてくれるそうで、ずっと続けています。入れ歯ですが、おかげで歯の調子もよく、お嫁さんのおいしいご飯を毎日いただけます。デイサービスの方々からも、声をかけてくれたり、気にかけてくれたり、みんなが本当によくやってもらえるからね。本当にありがたいことです。一人で歩いていくものじゃないと思います。本当に楽しい。昔の苦労したことなんか、忘れちゃう。今が一番幸せです。

監修医師コメント

『感謝の気持ちと前向きさ、栄養バランスのよい食事・よく噛める歯は健康長寿に繋がる』

毎日の食事で野菜類を十分に摂れているという結果は素晴らしいです。高齢者の栄養管理の国内外の指針を見ても「食品多様性」の重要性が強調されています。野菜類を含む多様な食品をジュースやスープなど食べやすく調理されたものから摂ることは健康長寿の秘訣なのかもしれません。
自分の歯が残っている方が3割近く、義歯を使用されている方が7割近くおられました。口の衰えは栄養状態の悪化だけでなく心身の衰えに繋がります(オーラルフレイル)。かかりつけの歯医者を持つことも重要で、今回の調査でも半数以上がかかりつけ歯医者を持たれていました。美味しく食べるための口腔をしっかりとメンテナンスすることは健康長寿のコツです。

感謝の気持ちや前向きな気持ちを大切にされているという結果は納得がいくものです。他者との関係性が乏しく、独居で孤食の高齢者は身心の衰え(フレイル)が進行しやすいと言われています。大切な家族や友人と関わること、そして他者に対する感謝の気持ちや前向きな気持ちを大切にすることは、健康長寿の秘訣であり、高い幸福度に繋がっていると思います。

年齢意識では、自身の健康状態を過信しすぎないことはもちろん大事ですが、「自分は若い」という前向きな気持ちも健康長寿に繋がっているのではないでしょうか。そういう意味でとても興味深い調査結果だと思います。

<吉村芳弘(よしむらよしひろ)先生プロフィール>
日本サルコペニア・フレイル学会理事。熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長。専門分野はリハビリテーション医学と臨床栄養学。外科医師の経歴から術後のリハビリテーションの重要性を痛感し、現在はリハビリテーションと栄養管理に並行して取り組む「リハビリテーション栄養」という視点から、積極的に臨床研究や講演を行っている。

 

調査概要

  • 調査時期:2021年5月27日(木)~ 7月5日(月)
  • 調査地域:全国
  • 調査方法:100歳以上の方ご本人に対するヒアリング、ご家族に対する質問用紙による自記入式調査
  • 調査主体:キューサイ株式会社「100歳まで楽しく歩こうプロジェクト」
  • 調査実施:株式会社クロス・マーケティング
  • 抽出方法:調査実施機関のリクルートネットワークを用いた機縁法リクルート
  • 調査対象:100歳以上の男女100名、100歳以上の方のご家族・近親者(寝たきり生活者と病院入院者は対象から除外して実施)

*1 令和3年9月1日現在の住民基本台帳による都道府県・指定都市・中核市からの報告数(厚生労働省)
*2 令和2年簡易生命表 主な年齢の平均余命(厚生労働省)
*3 第12回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料(厚生労働省)
*4 新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)(厚生労働省)
*5 内閣府「平成30年版高齢社会白書」(全体版)

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