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健康コラム

世界基準(目標※1)の約2倍!?実は塩分を摂りすぎな日本人

カラダ

2019.02.12

年々拡大している「減塩」市場

 近年、CMやTV番組などでよく耳にする「減塩」という言葉。スーパーでもしょうゆや味噌、調味料、スープ、漬物など多くの「減塩」商品が並んでいます。減塩市場は年々拡大傾向にあり、2015年の減塩食品の市場規模は524億円と3年間で32%※2拡大しています。

 では、なぜこんなに「減塩」を謳った商品が多く出回るようになってきたのでしょうか。その背景には、「塩分の摂りすぎ」である日本人の食生活の実態が見えてきました。

世界基準(目標※1)の約2倍!? 日本人の塩分摂取量

 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」で推奨されている1日あたりの塩分摂取量は、男性8g未満、女性7g未満。さらに世界基準(目標※1)を見てみると、世界保健機関(WHO)「塩分摂取新ガイドライン」では成人1人あたりの塩分摂取量について5g以下を推奨しています。

 これに対し厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成29年)」によると、わたしたち日本人が1日に摂っている塩分量は、男性10.8g、女性9.1gです。

 つまり日本人は世界基準(目標※1)の約2倍も塩分を摂取していることになるのです。

 その理由の一つに、ヘルシーなイメージのある和食に、多くの塩分が含まれていることが挙げられます。味噌や醤油などの日本食材には塩分が多く、例えば味噌汁は1日に3杯飲むと塩分量は6g程になり、それだけで世界基準(目標※1)の塩分摂取量を上回ってしまうのです。

「塩分過多」が招く疾病のリスクとは

 厚生労働省やWHOが塩分を摂りすぎないことを推奨している理由に、塩分の摂りすぎが高血圧に密接につながっていることが挙げられます。日本の高血圧患者数は約4,300万人にも上り、日本人の国民病とも言われているのです。

 そして、その高血圧から起こる病気は重大疾患といえるものが多く、日本人の突然死の原因の約74%※3を占めている循環器疾患のリスクも上昇すると言われています。重大疾患や突然死を防ぐためにも、塩分の摂りすぎには注意が必要です。

[塩分の摂りすぎが招く病の例]

高血圧 心不全・心筋梗塞 心肥大・動脈硬化 脳卒中 腎不全 腎結石
骨粗しょう症 胃がん


 さまざまな病気の一因となる「塩分の摂りすぎ」。わたしたち日本人は実際に塩分を摂りすぎており、その量は世界基準(目標※1)の約2倍にもなることを知っていただけたでしょうか。いつまでも健康な生活を送るためにはこの事実としっかり向き合う必要がありそうです。次回は塩分の摂りすぎのリスクについてさらに詳しく、また減塩することのメリットについてお伝えします。

※1 世界保健機関(WHO)の食塩摂取目標量
※2 株式会社富士経済「ヘルス&ウェルネス食品市場の将来展望2016」
※3 太田壽城、ほか既往歴保有者における日常生活活動中の突然死の発現率に関する研究、突然死に関する研究、平成6年度、厚生省より改変

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