健康コラム

いつもはショッピングやウオーキングなどを楽しんでいても、雨が続く季節は外に出るのがついおっくうになりがちです。加えて、思うように出かけられないストレスもたまってくるのではないでしょうか。

そんな時、家の中で楽しめる趣味としてぜひおすすめしたいのが、『大人の塗り絵』です。塗り絵というと子どもが楽しむものと思われるかもしれませんが、近年さまざまな趣向を凝らした塗り絵が登場し、「夢中になれる」「癒される」と幅広い世代から人気を集めています。今回は大人の塗り絵に秘められた、うれしい効果をご紹介します。

絵柄に合わせて色を選んだり、色を塗るといった塗り絵の一連の動作には、脳のさまざまな部分が関わっていることをご存知でしょうか。例えば絵柄を認識するのに後頭葉が働き、どこにどんなものが描かれているかを頭頂葉で認識し、色を塗る順番を考える際は前頭連合野が働く、というように、大人の塗り絵を行うと脳の広範囲が活性化されます。

また、黙々と色を塗り進める作業に集中していくと、瞑想に近い状態になります。その結果、イライラやストレスが解消されたり、リラックス効果が期待できるのです。

また、大人の塗り絵には、自律神経のバランスを整える効果があります。

心身を緊張させる交感神経と、休息状態にする副交感神経の2つから成る自律神経は、どちらか一方だけが優位になってバランスが崩れると、イライラしやすくなったり、やる気が出ないといった状態に陥るだけでなく、胃腸の働きが悪くなるといった身体的な不調にもつながってしまいます。この自律神経は呼吸と密接に関係しています。ひたすら塗ることに没頭していくと自然に呼吸が整ってくるので、自律神経のバランスも整うことが期待できます。

特に梅雨の時期は気圧や気温の変化が大きく、自律神経が乱れて不調を感じやすい時期です。余暇の時間などに塗り絵タイムを設けて、楽しみながら自律神経のケアを行いましょう。