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100歳大調査

【100歳100人実態調査】2016年度版 Over100歳、家族以外とも交流98%

健康長寿の秘訣を探る “100歳100人実態調査” 第二弾

日本では、総人口の4分の1以上が65歳以上となり*¹、100歳を超える高齢者は過去最高の6万人超となっています。*²また、高齢化社会が進む中、ひとり暮らしの高齢者は増加の傾向にあります。*¹

そこで、100歳以上の方100人と、そのご家族・近親者に生活実態調査を行いました。このような調査結果をきっかけとして、自分自身のシニアライフについて考えてみるのはいかがでしょうか?

*1 内閣府「平成28年版高齢社会白書」(全体版)

*2 平成27年9月1日現在の住民基本台帳による都道府県・指定都市・中核市からの報告数

「100歳×100人」 人とのふれあい

98%が日常的に同居の家族以外とも交流

100歳以上の方が「普段どのような人と会ったり、話をしたりするか」たずねたところ、「同居の家族」のみを選択した人はわずか2%で、ほぼ大半の方がご家族以外の方ともコミュニケーションをとっていることが分かりました。また、4分の1以上の方が、4つ以上の項目を選択しており、様々な人と交流をしている姿が見受けられます。【グラフ1】

前述のとおり、高齢者のひとり暮らしは、増加傾向にあります。若年層の未婚率も上がっていることを鑑みると、これからの時代はより一層周囲の人たちとの関わり合いを大切にしていくことが、元気に長生きするために不可欠であると考えられます。

コミュニケーションの“カギ”は「ありがとう」の言葉

「100歳以上の方から言われてうれしかったこと」をご家族・近親者の方にたずねたところ、『いつも、ありがとう』『長生きできたのは、あなたのおかげ』など、感謝の言葉が最も多く、気持ちをきちんと“言葉”にして伝えていることが分かりました。また、中には『仕事は大丈夫?皆元気?(66歳/三重県)』など、相手の日常を気遣う言葉や、『いつもあんたの作ったものおいしいなあ(87歳/岡山県)』など料理をほめてもらえるという回答も寄せられました。様々な人と交流している100歳以上の方ですが、このように感謝の気持ちや相手への思いやりの気持ちを言葉として伝えてきたことが、人とのつながりを持ち続けられる秘訣なのでしょう。

100歳以上の方から言われてうれしかったこと(一部抜粋)

また、100歳以上の方に、「人生の中で一番うれしかったこと」をたずねてみると『100歳の祝いをホテルで、子供、孫、ひ孫、やしゃご全員で祝福してくれたこと。(100歳 女性/三重県)』など、長寿の祝いを大勢の人にしてもらったという回答が多く寄せられました。このような回答からも、家族や身近にいる人たちと良い関係を築いている姿が見受けられます。戦争などの経験から、家族や親戚など、周囲の人を大切にしたいという思いが強いのではないかと考えられます。

Over100歳を見守る人が「気をつけている」「大切だと思う」こと

積極的に話しかける・耳を傾ける・共感する

「100歳以上の方と過ごす時に気をつけていること・大切だと思うこと」をたずねたところ、コミュニケーションに関する回答が多く寄せられました。『おばあちゃんがいてくれないと困る。いつまでも元気でいてね。と声かけを心がけている。(58歳/奈良県)』『おはよう、行ってきます、ただいま、などは聞こえるように必ず伝えます。(66歳/北海道)』など積極的に話しかけている様子が見受けられました。ゆっくり・大きな声でというように話し方に気をつけている方はもちろん、『話は、何でも、そうね~と肯定してあげる。よく聞いてあげる。(62歳/兵庫県)』と、相手のペースに合わせ、共感している方も。100歳以上の方の周囲の人は、話しやすい環境を作っていることが分かりました。相手を尊重し、思いやりを持って接している様子が明らかになりました。

健康長寿 100歳 リアルボイス

『日課は息子と行く朝一番の散歩。相手を気遣う気持ちが大切』

柳沼 定さん 103歳 福島県

息子と毎朝、散歩に行くのが日課です。近所を1.5キロぐらい、約30分歩きます。息子も一緒ですし、多少の雨でも出かけますよ。起きたくないような日もありますけど、身体を動かすと、調子は良くなりますね。

食べ物の好き嫌いはないです。家族が一生懸命作ってくれるごはんは、とてもおいしい。出されたものは何でもおいしい、ありがたいと思って皆でいただくのが礼儀だし、それが家族団らんだと思います。相手を気遣うことが大事ですよ。ひ孫は8人。遠くにいてなかなか会えませんが、孫が写真を送ってくれる。ひ孫の成長が今は何よりの楽しみです。

●息子さん(72歳)から一言

父には長生きしてほしいと思っていたので、実際にそうなって本当にうれしく思っています。運動のためデイサービスに通わせていますが、とても饒舌になるそうでいろんなことを話しているようです。父にいつまでも元気でいてもらうため、私自身が健康であること、父の気持ちを尊重して互いに穏やかな気持ちで過ごせるようにすることを心がけています。

今回の調査より、元気な100歳以上の方々は、周囲と盛んに交流を持っている様子が分かりました。健康長寿の観点からもこのように様々な人と接点を持つことが大切です。100歳以上の方々と周囲の方々の実体験に基づく声を、ヒントとしてお役立てください。

監修コメント アイさくらクリニック院長 木村 昌幹(キムラ マサミキ) 先生

年齢を重ねると配偶者や近親者との別れ、体力の衰え、容貌の変化、馴染んだ環境の変化など様々な喪失体験を経験します。それはうつ症状に移行していくこともあります。しかし人との触れ合いで「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌が活性化されます。家族など特定の人とだけではなく、多くの人との繋がりを保っていくことで得られる触れ合いの時間がいい刺激となり、生きがいになっていきます。調査の結果からも、たくさん声をかけてもらうこと、共感してもらうことで「一人ぼっちではない」と心強く感じ、それを感謝の言葉として伝えていらっしゃるのだと思います。様々な人との交流によりココロを元気にすることが、健康長寿の秘訣につながっているのでしょう。

< 木村 昌幹先生プロフィール >
アイさくらクリニック院長。川崎医科大学卒業後、同大学附属病院心療科に勤務。その後、心療内科・内科・アレルギー科のクリニック(医療法人ウェルライフ アイさくらクリニック)を開業。SAD(社会不安障害)のほか、うつ病・不眠症・漢方治療・更年期障害等を多く手がける。

所属学会  :日本精神神経学会、日本心身医学会、日本抗加齢医学会、日本精神科産業医協会

認定医の資格:精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本心身医学会専門医、日本医師会認定産業医